子育ての刈り入れどき

  • 2011.10.31 Monday
  • 09:50
秋も深まってきました。
田んぼもほぼ刈り入れが終わっていますね。

9月の中ごろだったでしょうか、我が家の近くにある田んぼで稲刈りが行われていました。
「えっ?もう?早いなあ」と思いながら、刈り取られていく稲を見ていました。
農家の方たちは、この「実り」を思い描きながら、種をまいたり苗を植えたりするわけですよね。
思い描いた通りに実り、刈り入れる時の喜びとはいかなるものぞ・・・と思いめぐらしていました。

ふと、「子育ての刈り入れどきは?」と考えました。
そして、ある出来事を思い出したのです。

高校1年生の息子が夏休みに入るとすぐ、三者面談がありました。
担任の先生と息子と私との話し合いです。
当然、生活態度や成績が話題なのですが、話の最後に一通の封筒を渡されました。
「学校での心臓検診で疑いが出たので、指定の病院でもう一度検査してもらってください」というものでした。まだ、精密検査というわけではありません。団体で受けたものを、個人で丁寧に、ということです。しかし、私たち親子二人は、この思いがけない出来事にショック!!

私は「余命1ヶ月だったらどうしよう?」と冗談で紛らわす。息子は「検査やら、せんでいいよ」と、逃げたい気分。気を取り直し、「こいうことは早い方がいいから」と、指定された病院へ予約の電話を入れました。

さて、診察の日、医師から検査内容について説明を受け、息子は検査へ、私は待合室へ。そして、検査を終えた息子と、名前が呼ばれるのを待っていました。
しばらくして「野口さん」と呼ばれたので、一緒に席を立つと、息子が「あ、あんたは来んでいいよ」と言います。
「え?いいの?」
私は一瞬たじろぎ、座っていたところにまた腰を下ろしてしまいました。息子だけが颯爽と診察室へ入って行きました。

しばらくして戻ってきた息子に「どうだったの?」と聞きますが、もったいぶってなかなか答えてくれません。会計のカウンターで職員の方から「この報告書を学校に提出してくださいね」と、渡された時にやっと「何ともなかった」と教えてくれました。

私が、「お母さんは行かなくて本当によかったの?先生から何か言われなかった?」と訊くと、
「いや、お母さんは?って訊かれたよ」と答えます。
「え?それであなたはなんて言ったの?」
「ああ、あの人はいいですって言った」
「はあ?そしたら、先生は?」
「いや、べつに・・・笑いよった」

まあ、なんて子でしょう!?
お医者さんも、何事もなかったから、息子だけでいいと思われたのでしょうけど・・・

数日後、この話を、ある人にしました。私は、なんという息子でしょう!母をこんな風にからかうんですよ。ひどいと言うか、面白いと言うか・・・、といったニュアンスで話したつもりだったのです。

しかし、その人は言いました。
「まあ、野口さんの息子さん、あんなに甘えん坊でお母さんにくっついて回ってたのに、もうお母さんをいたわるようになったのねぇ・・・」
「ええっ!」
私は息子のその行為が、私に対するいたわりだったとは、これっぽちも思いませんでした。
「そうか、私はいたわられたのか・・・」

刈り入れられる稲を見ながら、私は自分につぶやいたのです。
「いたわられるようになった時が、子育てはそろそろ刈り入れどきなのですねぇ」と。
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